悩みについて

今日に集中する

過去と未来を鉄の扉で閉ざせ。今日一日の区切りで生きよう。

  1. 私は、未来に不安を感じたり「水平線の彼方にある魔法のバラ園」に憧れたりして、ともすると現在の生活から逃避していないだろうか?
  2. 私は、過去の出来事—-すでに決着のついた事柄—-を後悔するあまり、現在をも傷つけてはいないだろうか?
  3. 朝起きる時に「今日をつかまえよう」—-この24時間を最大限に活用しよう—-と心に誓っているだろうか?
  4. 「今日一日の区切りで生きる」ことによって、人生をもっと豊かにできるだろうか?
  5. 以上のことをいつからはじめるべきか?来週から?…明日から?それとも今日からか?

不安な気持ちを振り捨てて目前の事態に対処する具体的な方法

  1. 状況を分析し、起こりうる最悪の事態を予測する
  2. やむを得ない場合にはその最悪の事態の結果に従う覚悟をする
  3. 最悪の事態を少しでも好転させるように冷静に自分の時間とエネルギーを集中させる

大抵の場合、最悪の場合でも逮捕されたり殺されたりはしない。仕事を首になっても学校を留年しても大したことはない。新しい仕事だって探せる。むしろ今より状況が良くなる可能性だってある。いくらクヨクヨ悩んでも、悩むこと自体で事態が悪くなることはあっても良くなることはない。不安な気持ちを捨てて目前の事態に対処する具体的な方法を考えて実行するしかないし、そうすれば最悪の事態よりも事態は改善する。

悩みの分析と解消法

  1. 悩んでいる事柄を詳しく書き出す。
  2. それについて自分にできることを書き記す
  3. どうするかを決断する
  4. その決断を直ちに実行する
  • 誰でも時間の許す限り、公平な客観的立場で事実を集めることに専念すれば、普通の場合、悩みなど知識の光によって蒸発してしまうだろう

  • 悩んでいる時に感情を排除して客観的立場で事実を集めるのは容易ではない。でもそれでも極力客観的になるためのアイデア

    • 情報集めは自分のためではなく他人のためだと思う。
    • 自分を自分の反対に立って反論しようとしている弁護士とみなす。自分自身に不利な事実の全て、直面したくない事実の全てを把握するように努める。
  • 事実は頭の中ではなく、書き上げ、それから分析する。

  • はっきりとした目標を決めることができず、いつまでたっても考えがまとまらずに堂々巡りを繰り返すことが一番良くない。明確に最悪の事態も考慮して、それを受け入れ、その上でなすべきとこを決定する。

  • やるべきことを決めさえすれば即座に苦悩の5割が消え失せ、その決断を実行に移すと、残りの4割が蒸発する。

  • ひとたび決断し、あとは実行あるのみとなったら、その結果に対する責任や心配を完全に捨て去る

  • 何事も、行動をもって示さなければ意味がない。まさにエネルギーの浪費でしかない。

  • 事実に基づいて慎重に決断したなら、行動に移せ。考え直したり、ためらったり、危ぶんだり、後戻りしてはいけない。ひとたび自分を疑い出したら、また別の疑いが生じてくる。

  • 問題をある程度以上に考え続けると、混乱や不安が生じやすい。それ以上調べたら考えたりすればかえって有害となる時期がある。それが決断し、実行し、絶対に振り向いてはならない時機。

  • 問1 私は何を悩んでいるか?

  • 問2 それに対して私は何をできるか?

  • 問3 私はどういうことを実行しようとしているか?

  • 問4 私はそれをいつから実行しようとしているか?

  • 問題点は何か?

  • 問題の原因は何か?

  • いくとおりの解決策があって、それらはどんなものか?

  • 望ましい解決策はどれか?

悩みを断ち切る方法

  • 悩んでいられないくらい忙しくする

  • 気にする必要もなく、忘れてもよい小事で心を乱してはならない。「小事にこだわるには人生はあまりにも短い」

  • 記録を調べてみよう。そしてこう自問するのだ。「平均値の法則によると、不安の種になっている事柄が実際に起こる確率はどのくらいだろうか?」

  • 避けられない運命には調子を合わせる。諦めて受け入れる。悩んでも意味がない。

    1. 現在、自分がやなんでいることは実際にどの程度の重要性があるか?
    1. この悩みに対する「ストップ・ロス・オーダー」をどの時点て出して、それを忘れるべきだろうか?
  • この呼子笛に対して正確にはいくら支払えばいいのか?すでに実質価値以上に払いすぎていないだろうか?

  • おがくずを挽こうとするな。覆水盆に返らず。賢い人たちは座ったまま損失を嘆いたりはしない。元気よくその損害を償う方法を探すのだ。

平和と幸福をもたらす精神状態を養う方法

  • お前を打ちのめしてしまったのは、お前の前に現れた事態ではなく、そういう事態に対するお前の考え方なのだ。「人間は自分の心で考える通りの人間になる」。この言葉ができたら、息子よ、帰っておいで。お前は治っているはずだから。
  • 正直に言って、私は神経衰弱にかかったことを喜んでいます。散々苦労したあげく、思考が私たちの精神や肉体に対してどんなに強い力を及ぼすかを、身をもって知り得たからです。今では自分の思考を自分に逆らわせず、役立てることができます。私の悩みの原因は全て、外部の状況にあるのではなく、状況に対する私自身の考え方にあるのだと言った父の言葉は正しかったと思います。それに気がついたとたんに、私は全快しました。それ以後もずっと変わらず健康です。

今日だけは

  1. 今日だけは、幸福でいよう。リンカーンは「たいていの人々は、自分で決心した程度だけ幸福になれる」と言ったが、全く至言である。幸福は内部から生じる。外部の事柄ではない。
  2. 今日だけは、自分自身をその場の状況に順応させて、自分の欲望のために全てを順応させることを控えよう。自分の家族も仕事も運も、あるがままに受け入れて、自分をそれに合わせよう。
  3. 今日だけは、体に気をつけよう。運動をし、体を大切にし、栄養を取ろう。肉体を酷使したり、軽視することは慎もう。そうすれば、体は意のままに動く完全な機械になるだろう。
  4. 今日だけは、自分の精神を鍛えよう。何か有益なことを学び取ろう。精神的な無精者にはなるまい。努力と思考と集中力を必要とするものを読もう。
  5. 今日だけは、魂の訓練のために3つのことをしよう。誰かに親切を施し、気づかれないようにしよう。修養のために少なくとも二つは自分のしたくないことをしよう。
  6. 今日だけは、愛想よくしよう。できる限り晴れやかな顔をし、穏やかな口調で話し、礼儀正しくふるまい、惜しげなく人をほめよう。他人の批判やあら探しを慎み、他人を規則でしばったり、戒めたりすることをやめよう。
  7. 今日だけは、今日一日だけを生き抜くことにして、人生のあらゆる問題に同時に取り組むことをやめよう。一生の間続けるとしたら嫌気のさすような問題でも、12時間ならば我慢できる。
  8. 今日だけは、一日の計画を立てよう。処理すべき仕事を1時間ごとに書き出そう。予定通りにはいかないかもしれないが、ともかくやってみよう。そうすれば、2つの悪癖ーー拙速と優柔不断と縁が切れるかもしれない。
  9. 今日だけは、たった1人で静かにくつろぐ時間を30分だけ生み出そう。この時間を使い、時には神について考えよう。人生に対する正しい認識が得られるかもしれない。
  10. 今日だけは、恐れないようにしよう。特に幸福になることを恐れたり、美しいものを楽しむことを恐れたり、私の愛する人が私を愛していると信じることを恐れないようにしよう。

出典

  • 道は開ける 文庫版 https://amzn.asia/d/0h5OOdz9