ツェッテルカステンの全体の流れ(メモの取り方と書き方)

ツェッテルカステンのメモには「走り書き」と「文献メモ」と「永久保存版のメモ」がありメモの取り方や整理の仕方に流れがある。

Step1. 「走り書きのメモ」であらゆるアイデアをとらえる

  • 頭に浮かぶあらゆるアイデアをInboxにとらえる。まず走り書きのメモとして簡単に書く。このメモは単に思い出すためのきっかけなのでどう書くかはあまり気にしなくていい。ただし一か所にまとめる必要がある。
  • 時間がある時には「走り書き」をスキップして「永久保存版のメモ」をいきなり書いてもよい。

Step2. 文章を読みながら「文献メモ」を取る

  • 「文献メモ」は何かを読むたびにとるメモ。忘れたくない事、考えたこと、後で文章に使いたいこと等を書く。
  • 内容は厳選し、自分の言葉を使って書く。単に文章を抜き出すのはNG。きちんと自分の頭で考えて自分の言葉で書く。

Step3. 集まったメモを元にアイデアを発展させつつ「永久保存版のメモ」を作成する

  • 「走り書きメモ」と「文献メモ」と「自分のtwitter」を(理想的には)1日に1回見返し、自分のこれまで書いてきたメモとどのように関係するかを考えながら内容を整理して書き直す。
  • これは考えを発展させるプロセス。新しいものは対立するのか?修正するのか?アイデア同士を組み合わせて発展させられないか?興味があるものしか入ってきていないはずだから絡み合い発展するはず。
  • 新しく思い浮かんだアイデアに対して一つだけ「永久保存版のメモ」を書く。他の人に読ませられるように、1つのトピックで、そのメモだけで完結するように書く。
  • 主語、述語を入れる。出展があれば明記して「文献メモ」にリンクする。関連するほかのメモとのリンクも行う。できる限り正確、明確、簡潔に書く。
  • 自分の言葉で書く。
  • 後から読み返しても理解できるように書く。
  • 1つのメモに1つのことだけ書く。
  • メモの内容は1枚で完結させる。
  • 論文の中に組み込み、公表できるレベルで書く。
  • 書いたメモは「永久保存版のメモ」のフォルダーあるいはボックスにしまう。そしてとりあえず忘れてよい。大事なものはツェッテルカステンに入り、関連するものとリンクされているから。

Step4. 「永久保存版のメモ」 をツェッテルカステンに保存する

  • (メモの配置をコントロールできる場合)関連するメモの後ろに配置する。どのメモとも直接関連していない場合には最後に配置する。
  • 関連するメモにリンクを追加する。
  • このメモをあとで探せるようにツェッテルカステンの索引の作り方に従って索引も作る。

Step5. テーマを発掘する

  • 「書くべきもの(トピック、疑問、プロジェクトテーマ)」はツェッテルカステンに入っているメモから自然とボトムアップで発展してくる。システムに入っているもの、欠けているもの、浮かんでくる疑問を確認する。
  • すでに自分が持っている知識の上に蓄積をしていく。ただし、今のアイデアよりも別の有望なアイデアが突き詰められそうなら新しい領域に取り組むのは良い事。全体で関連してくる。

Step6. 全体を組み立て欠けている情報を探す

  • しばらくするとアウトプットや書籍を書けるくらいアイデアが十分に深まってくる。主題を決め、システムから関連する物を抽出していくことでまとめる事ができる。
  • 主題についてつながりをたどり、関連する全てのメモを集める(元々よく並んでいるはず)
  • 関連するメモをアウトライナーにコピーして順番に並べる
  • 欠けている情報や重複している情報を確認する

Step7. メモを利用して草稿を作成する

  • メモを単にコピーせず、主張したい文脈に沿って翻訳しながら記載する。同時にメモから主張を組み立てる。主張の穴を見つけて埋めるか、主張を変更する。

Step8. 原稿を編集して校正する

  • お疲れさまでした。次の原稿に取り掛かる。

参照元

  • ズンク・アーレンス. TAKE NOTES!――メモで、あなただけのアウトプットが自然にできるようになる (p.53). 日経BP. Kindle 版.